”奥まで浸透”の真実

化粧品のキャッチコピーやパッケージでよく見る”肌の奥まで浸透”。
この奥まではどこまでかご存じでしょうか?

実はお肌の角質層の約0.02ミリの深さを奥と表現しているのです。
この角質層はまもなく死んだ細胞となり、剥がれ落ちる運命です。
この0.02ミリの層のために
高価な美容液やクリームなどを与えていると思うと少々考え物ですが、
潤いを保持するためには重要な層でもあります。

化粧品は浸透という表現に気をつけなければなりません。
薬機法上、化粧品の浸透とは角質層までと決められているからです。
医薬部外品は角質層のさらに奥、真皮への作用が認められていれば
表現や広告が認められます。

さらに気をつけなければならないのは、
浸透させるために使用する成分によっては
肌が弱くなってしまうということ。
本来肌は刺激や汚染物質からお肌を守るために皮脂を出して
弱酸性に保って肌をバリアしています。
奥に成分を浸透させるには、
このバリア機能を界面活性剤で壊さなければなりません。

そうなると、肌の奥に成分を届けたはいいものの、
肌表面の弱酸性という高環境が破壊され、
トラブルが起きやすくなってしまいます。

”肌の奥へ浸透”の商品を使用して肌トラブルが起きた方、
これから使おうとしている方は
是非見直しをしてみてはいかがでしょうか?